
新日曜美術館で紹介されていたこの「鰯」の絵をみて引き込まれ、練馬区立美術館にて開催中の磯江毅展に行きました。ものすごい写実絵画は単にその技術だけでも圧倒されますが、それ以上の何かを感じるような、まるでその場の空気までもが描かれているような、見えないものまでをも描いてるような、、、そんな作品たちでした。
モノクロの裸婦像、鶉、鳥の巣、マルメロという果実の静物画、そして最後の作品となった未完の「鰯」に特に魅かれました。原画には鉛筆の線や絵具の染みのようなものも多々あり、それがすごくデザインっぽくもありかっこよかったです。所々に本人のコメントが掲げてあり、以下、印象に残ってメモしたものです(前後省略あり)。
「写実とは、空間と物の存在のなかから摂理を見出す仕事だと思うようになったのです。物は見ようとしたときにはじめて見えてくるものです」
「当たり前の物でも、あえてこだわれば、もう当たり前でなくなってしまう。そこで初めてリアリティに触れたと言えるのではないだろうか。」
作品集『写実考』のページより、「深い眠り」の部分です。デザインも印刷もとてもきれいで素晴らしい作品集です。
・練馬区立美術館展覧会ちらし